取り扱い製品
簡易スペクトル測定用テラヘルツ干渉計キット
テラヘルツ光源のスペクトルを簡易評価できる干渉計をキット形式で提供します。
【特長】 ・干渉計を用いた簡易スペクトル測定システム ・テラヘルツ波に適した大口径システム ・常温で使用できるテラヘルツ干渉計 ・制御・測定ソフトウェアが付属 【用途】 ・テラヘルツ波のスペクトル測定 ・テラヘルツ光源の周波数評価 |
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マイケルソン干渉計を利用した簡易的なスペクトル測定システムです。ショットキーバリアダイオード検出器を採用しているため、非冷却・常温で簡便に使用できます。テラヘルツ光源の周波数評価にご利用いただけます。 |
基本構成と測定原理
本製品はテラヘルツ帯域用のミラー、ビームスプリッター、自動ステージ、ショットキーバリアダイオード(SBD)検出器などから構成されます。被測定光源と光源用のコリメ―ションレンズはお客様側で準備いただきます。
基本構成測定原理
本製品は干渉計を応用し、下記①~⑩の手順で光源のスペクトルを測定します。
測定原理とスペクトルの測定方法① | 被測定光源から放射されるテラヘルツ波をコリメーションレンズで平行光束にします。 |
② | ビームスプリッターで平行光束のテラヘルツ波を信号光路と参照光路に分岐します。 |
③ | 信号光路のテラヘルツ波を信号ミラーで反射させます。 |
④ | 参照光路のテラヘルツ波を自動ステージに取り付けた参照ミラーで反射させます。 |
⑤ | 信号ミラーと参照ミラーで反射されたテラヘルツ波を、ビームスプリッターで合波します。 |
⑥ | 合波されたテラヘルツ波をSBD検出器に入射させて、検出します。 |
⑦ | 参照ミラーを光軸方向に動かし、信号光路と参照光路の光路長差を変化させます。 このとき、光源が有限の帯域をもつ場合、参照光路と信号光路の長さが可干渉距離内で一致した時のみ発生する干渉波形が計測できます。この干渉波形はインターフェログラムと呼ばれ、この波形をフーリエ変換すると被測定光源の周波数分布(パワースペクトル)が算出されます。 |
ロックイン計測
⑧ | 光源から発生するテラヘルツ波に強度変調を与えます。図はバイアス入力で光源に強度変調を与えている例となります。 |
⑨ | 変調の同期信号をロックイン検出器に入力します。 |
⑩ | SBD検出器から出力される検出信号をロックイン検出器で高感度に計測します。 |
構成ユニット
本製品は下記のユニットから構成されます。
THz波分岐部 | 干渉計に入射したコリメートテラヘルツ波(THz波)を信号光路と参照光路に分岐し、信号光路と参照光路から戻ってきたテラヘルツ波を再び合波する機構 | |
構成品 | ペリクル型ビームスプリッター / 位置調整機構 / マウント類 |
信号ミラー部 | THz波分岐部で信号光路へ分岐したテラヘルツ波を再度THz波分岐部に戻す機構 | |
構成品 | 信号ミラー / 手動ステージ / マウント類 |
参照ミラー部 | THz波分岐部で参照光路へ分岐したテラヘルツ波を光遅延を与えながら、再度THz波分岐部に戻す機構 | |
構成品 | 参照ミラー / 自動ステージ / ステージコントローラー / マウント類 / 接続ケーブル |
THz波検出部 | THz波分岐部で合波されたテラヘルツ波を検出する機構 | |
構成品 | 検出部導入光学系 / ショットキーバリアダイオード(SBD)テラヘルツ検出器 |
信号取得解析部 | SBD検出器の検出信号をロックイン計測する機構 | |
構成品 | ロックイン検出器 / 制御用PC / 制御ソフトウェア / 接続ケーブル |
※被測定光源と光源から放射されるTHz波を平行光束にして干渉計に導くためのコリメーションレンズ、強度変調器は含まれません。
測定ソフトウェア
本製品に付属する制御・測定ソフトウェアの仕様は下記の通りとなります。
ソフトウェア名称 | テラヘルツ干渉計制御ソフトウェア Terahertz Signal Measurement (Imf 1.0.0) | |
制御機器 | ステージコントローラー/ロックイン検出器 | |
測定値 | テラヘルツ波の干渉波形(インターフェログラム) | |
演算値 | テラヘルツ波のパワースペクトル(干渉波形データから算出) | |
保存データ | 保存形式:カンマ区切りのテキスト形式 保存データ:干渉波形・パワースペクトルおよび測定時パラメータ | |
開発環境 | LabVIEW 2022 Q3 (National Instruments製) | |
提供形式 | 制御用PCにインストール |
測定例
弊社の取り扱い製品「300GHz帯小型テラヘルツ光源 超小型タイプ」のスペクトル測定例を示します。
測定した光源
製品名 300GHz帯小型テラヘルツ光源 超小型タイプ 型式 SD-FSLS02-HP(275-295) 特長 出力周波数を275-295GHz間で 任意に設定できる光源 |
測定条件:スキャン長 100mm, 周波数分解能:1.5GHzで測定
干渉波形
パワースペクトル
仕様
本製品の主な仕様は下記のとおりです。
対応テラヘルツ波ビーム径 | <Φ75 mm | 干渉計に入射する平行光束のビーム径 |
光軸高さ | 175 mm | 光学定盤の天面からの高さ |
スペクトル測定方式 | マイケルソン干渉計 | - |
測定データ | テラヘルツ波の干渉波形 パワースペクトル分布 |
パワースペクトル分布は干渉波形を高速フーリエ変換して算出 |
システム形態 | キット方式 | 光学定盤上に光学系を構築 |
参照ミラー移動距離 | 100 mm | 自動ステージ仕様による |
参照ミラー移動分解能 | 2 μm | 自動ステージ仕様による |
パワースペクトル分解能 | 1.5 GHz | 参照ミラーを最大移動距離動かした時の値 |
電源 | AC 100V | - |
テラヘルツ検出帯域 | 0.05 ~ 2.5 THz | ショットキーバリアダイオード(SBD)テラヘルツ検出器Type1仕様に依存 |
テラヘルツ検出感度 | 22,000 V/W (@70 GHz) 1,100 V/W (@1 THz) |
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検出器最小NEP | 6 pW/√Hz(@70 GHz) | |
設置環境 | 750 mm × 550 mm | 左記の大きさ以上の光学定盤上(M6タップ/25mmピッチ)に配置 |
信号計測手法 | ロックイン計測 | 被測定光源を強度変調させる |
オプション
本製品はお客様の実験系に合わせたカスタマイズを承っております。下表にない特注対応も対応いたしますので、気軽にお問合せ下さい。干渉計導入光学系の設計・製作 | 被測定光源に適した光学系の設計・製作(落射式・同軸型) |
ビーム径の変更 | 被測定光源のビーム径に適した干渉計の設計・製作 |
検出器の変更 | 弊社で取り扱うSBDテラヘルツ検出器より選択可 お客様指定の検出器への変更(設計・製作変更含む) |
自動ステージの変更 | 高精度ステージ及びドライバへの変更 移動距離が異なるステージへの変更 |
ロックイン検出器の変更 | お客様指定のロックイン検出器への変更 (設計・制御ソフトウェア製作変更含む) |
光源固定部の設計・製作 | 被測定光源の配置マウントの設計・製作 |
光学定盤 | 光学定盤の追加 |
アフターサービス | 干渉計調整・光学調整方法レクチャー など |
設置環境
本製品は、ご所有の光学定盤に設置・納入いたします。光学定盤はご準備ください。
ダウンロード
簡易スペクトル測定用テラヘルツ干渉計キット.pdf
(関連製品)ショットキーバリアダイオード検出器ユニット.pdf
(関連製品)ショットキーバリアダイオード検出器.pdf
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