テラヘルツのまめ知識

テラヘルツパルス波エコー法による内部構造情報の計測原理

 ピコ秒程度の短い時間幅を持つテラヘルツパルス波を測定物に照射し、内部からの反射パルス波(エコー)を計測することで、測定物内部の構造情報を非破壊・非接触で観察できます。この手法を弊社ではテラヘルツパルス波エコー法(Terahertz pulse echo method)と呼んでいます。
 図1にテラヘルツパルス波エコー法の計測原理を示します。図に示すように異なる屈折率(n1, n2とする)を持つ物質が積層されたサンプルにテラヘルツパルス波を入射させると、テラヘルツ波は各境界面で反射パルス波を発生させながら、サンプル内部を伝搬します。一方、各境界面で発生した反射パルス波は、入射方向と反対方向に反射パルス波列になって伝搬します。

テラヘルツパルス波エコー法の計測原理.図 d1, d2: サンプル各層の厚さ
n1, n2: 各物質の屈折率
Δt1, Δt2: 各層境界面での反射波の到達時間差

図1: テラヘルツパルス波エコー法の計測原理.

各境界面で発生した反射パルス波の到達時間差Δtiと各層の物理的な厚み di は比例関係にあり、物質固有の光学定数である屈折率niを用いて次の関係式で表されます。

c: 真空中の光の速度
i: 積層した各物質の番号
Δti × c: パルス間の光学距離
2: 距離を厚みに換算する係数

 このように、テラヘルツパルスエコー法は、計測された反射パルス波列の各反射パルス波の到達時間差より換算された厚み(距離)情報から測定物内部の構造を可視化させます。

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