テラヘルツのまめ知識

屈折率と誘電率

 電磁波に対する物質の応答を調べる際に屈折率(refractive index)や誘電率(dielectric constant)という量が重要となります。屈折率や誘電率の周波数依存性を研究することで物質を構成する原子や分子などのミクロな情報を得ることができます。誘電率 ε と光学的な屈折率の間には という関係があります。ここでです。誘電率と屈折率は一般的に複素数であり、実数部と虚数部が存在します。また、誘電率と屈折率は物質に照射する電磁波の周波数 ω によって値が変化します。すなわちとなります。ここで誘電率、屈折率の値が周波数の関数として変化することを分散(dispersion)といいます。

 例として図1にシリコン単結晶の紫外線~可視光線領域の複素屈折率の実部 n と虚部 k を示します。図1の横軸は波長(=光速 / 周波数)です。シリコン単結晶は、波長(または周波数)によって nk の値が変化し、分散特性を持つことが分かります。

図1: シリコン単結晶から得られた複素屈折率の実数部 n と虚数部 k.
(グラフの値は文献[1]の値を引用.)

 [1] D. E. Aspnes and A. A. Studna, “Dielectric functions and optical parameters of Si, Ge, GaAs, GaSb, InP, InAs, and InSb from 1.5 to 6.0 eV,” Phys. Rev. B., vol.27, no.2, pp.985-1009, Jan. 1987.

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